「筋トレで反動はあり?」チーティングのメリット・デメリットと使った方が良い人・悪い人

知識・ノウハウ

著者の名前:せーじ/パーソナルジム経営

元痩せ型だけど腹筋は割れていない人。

現在は筋肉量10kg増、体脂肪率10%以下をキープ

大学スポ科卒⇢ジム社員⇢パーソナルトレーナーの経験を元に「筋トレ超初心者のためのモテる体作り」について発信中!

出身:長野県
年齢:33歳(平成3年1月11日生)
資格・経験:NSCA認定パーソナルトレーナー/ダイエットインストラクター/BBJ長野大会3位

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この前ショート動画見てたら、めっちゃマッチョな人が「反動を使って高重量を持て!」っていってたぞ?

筋トレで反動は使っちゃいけないんじゃないの??

基本的に筋トレで反動を使うのはなし!

ただし人によっては反動を使った方が良い場合もあるよ!

SNSなどで、マッチョなインフルエンサーが反動をつけて高重量のダンベルやバーベルで筋トレしているのを見たことがありませんか?

「筋トレは反動を使わずに」が一般的なセオリーですが、こういった筋トレ方法を見ると「反動つけて筋トレした方が良いの?」と迷ってしまいますよね。

当記事では、

  • 反動を使うメリットはあるの?
  • 自分は反動を使うべき?
  • 反動を使う場合、どんなことに注意すべき?

このような疑問が解決していきます。

”反動”を使ったトレーニング=”チーティング”とは?

反動を使ってダンベルやバーベルを持ち上げるような筋トレを「チーティング」と呼びます。

チーティングとは、直訳すると「反則する」「ズルをする」という意味。
反動なしでは持ち上げられないような重いダンベルやバーベルも、チーティングを使えば持ち上げることができます。

反対に反動なしで行うことをストリクトと呼びます。

チーティングを使う”4つのメリット”

一般的に筋トレは、反動無しで行うのがセオリーですが、チーティングを使うことにもメリットがあります。

主なメリットを4つ紹介します。

メリット①:ネガティブ動作(下ろす動作)で高負荷をかけられる

チーティングを使ったトレーニングでは、ウエイトを下ろす時に高い負荷をかけることができます
反動なしでは持ち上げられないくらい重いウエイトでも、反動なしで下ろすことはできますよね?

ウエイトを下ろす動作はネガティブ動作と言って、筋肥大で重要な「エキセントリック収縮」で高い負荷をかけることができます。

エキセントリック収縮とは、筋肉が縮もうとしながらもゆっくり引き伸ばされる時の筋活動
筋肥大に欠かせない「筋肉の細かい損傷」が起こることに加え、筋肉の「速筋繊維」(太い繊維)が優先的に使われます。

そのため、チーティングを使って高重量の筋トレを行うことで、筋肥大効果を高めることができます。

メリット②:筋肉を追い込みきれる

まずは反動無しで目標回数を終えても、そこからチーティングを使うことで限界を超えて+(プラス)数回行えることで、筋肉を限界まで追い込むことができます。

例えば、10回を目標にバーベルカールを行い、+2、3回全身の勢いを使って肘を曲げると言ったイメージ。

このように追い込み切ることによって負荷を上げ、筋肥大を狙うことができます。

メリット③:体の連動が上手くなる(運動能力アップ)

チーティングでは、体全身の筋肉を使って効率良くウエイトを持ち上げます。
スポーツなどでは、

いかに効率の良い動きで

  • 早いスピードを出す
  • 高く跳ぶ

といったことが大切。
筋トレのように的(まと)を絞った筋肉の使い方より、体全身を連動させた方が強い力を発揮でき、疲れずに競技が続けられるからです。

チーティングを使ったトレーニングによって、こういった連動を使う能力を養うことができます。

メリット④:筋出力アップ

チーティングで筋肉を素早く動かすことで、筋肉の出力を上げることができます。
筋肉の出力とは、筋肉を100%に近い力を発揮する力。

実は筋肉は脳にリミッターを掛けられていて、100%の力は発揮できません。
トレーニングをしていない人は、実際の筋肉の70%しか力を使えていないと言われています。トレーニングを行うことで筋肉が発揮する力を100%に近づけていくことができます。

チーティングのように瞬発的な動きでは、この筋出力アップへの作用が大きく、長期的に見た筋肥大効果スポーツパフォーマンスアップなどが期待できます。

チーティングを使った方が良い人

基本的に筋トレではチーティングを使わないのがセオリー
そのためすべての人におすすめできる方法ではありません。

しかし、先述したようにチーティングによるメリットもあるため、チーティングを使った方が良いという人もいます。

使った方が良い人①:重量が伸びなくなってきた

「反動なし(ストリクト)の筋トレで、ダンベルやバーベルの重量を段階的に増やせなくなってきた」という人は、チーティングを使うのも有効でしょう。

この時、ウエイトを上げる動作だけチーティングを使い、下ろす動作では動作をコントロールしてゆっくり下ろます。

ポイントは下ろす動作「エキセントリック収縮」をしっかり感じること!

高重量を扱える筋トレ種目で行おう。重量アップでチーティングを使う際の種目例を紹介するよ!

おすすめ種目①:ベンチプレス(胸)

ベンチに仰向けになり、バーベルを胸から天井へと押し上げるベンチプレス。胸の筋肉を鍛えるトレーニングです。
本来、「後頭部・肩・お尻・両足」の5点をベンチ台・床につけて行います

チーティングを使ったやり方ではバーベルを持ち上げる際に、お尻をベンチから浮かせ反動をつけて行います。

おすすめ種目②:ミリタリープレス(肩)

立った姿勢から、バーベルを頭上に持ち上げるミリタリープレス。肩を鍛えるトレーニングです。
本来は膝・股関節は固定し、肩の力でバーベルを持ち上げます。

チーティングを使ったやり方では、上げる動作膝・股関節の屈伸を使い、下半身の力を借りてバーベルを頭上へと上げます。

おすすめ種目③:チンニング(背中)

チンニング=懸垂。手幅を広くしてバーにぶら下がり、体を引き上げるトレーニング。背中を鍛えるトレーニングです。

本来は両足を後ろへ曲げ、勢いを使わずに体を引き上げます。

チーティングを使ったやり方では、両足を1度前に振り、勢いを使って体を引き上げます。
1回もチンニングができないという人は、両足を地面につけられる高さで行い、ジャンプの力を利用して行う人もいます。

使った方が良い人②:回数を増やせなくなってきた

反動なしの筋トレで回数が増やせなくなってきた人にもチーティングはおすすめです。

この時のポイントは、頑張れるぎりぎりまでは反動なしのフォームで行うということ。
反動なしでは上がらないという状態まで回数を重ねて、そこから+2〜3回をチーティングで行いましょう。

おすすめ種目①:ベントオーバーロウ(背中)

立った姿勢で上体を前傾させ、バーベルを胸に引き上げるベントオーバーロウ。背中を鍛えるトレーニングです。

まずは上体の角度は変えず、反動を使わずに行います。
反動なしではバーベルを引き上げられなくなったら、上体を起こす力を借りて+2、3回チーティングを行って引き上げます。

おすすめ種目②:サイドレイズ(肩)

立った姿勢で、両手のダンベルを体の横へ持ち上げるサイドレイズ。肩を鍛えるトレーニングです。

まずは、肩の関節以外は動かさず、反動なしで行います。
反動なしではダンベルが持ち上がらなくなったら、膝の軽い屈伸を借りて+2、3回チーティングを行って持ち上げます。

おすすめ種目③:バーベルカール(上腕二頭筋)

立った姿勢でバーベルを持ち、肘を曲げるバーベルカール。上腕二頭筋を鍛えるトレーニングです。

まずは、肘以外の関節は動かさず反動なしで行います。
反動なしで肘が曲げられなくなったら、上体を反らす力を借りて+2、3回チーティングを行って持ち上げます。

使った方が良い人③:瞬発力アップが目的

スポーツで「高く跳べるようになりたい」「強くコンタクトできるようになりたい」という人も、チーティングを使ったトレーニングをおすすめできます。

瞬発力アップのためにチーティングを使う場合、競技特性やシーズンに合わせて

  • 重たいウエイトを扱う
  • 軽いウエイトで速く動かす

といったやり方を選ぶと用意でしょう。

重たいウエイトを扱うことで筋力の向上、軽いウエイトを扱うことでスピードアップなどの効果が期待できます。

筋トレ初心者(〜3ヶ月)の人はチーティングは使わない方が良い

チーティングは、一般的な反動なしの筋トレで筋肉量が増えなくなった人が行う1つの手段です。
そのため、筋トレ開始〜3ヶ月の初心者にはおすすめしません

理由は、

  • 正しく筋肉に負荷をかけられず筋肥大できない
  • 怪我のリスクがあがる

可能性が高いからです。

まずは、反動なしの筋トレで、回数→重さ→セット数→種目数と負荷を高めていき、それでも筋肉量が増やせなくなってからチーティングを使うようにしていきましょう

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