この前ショート動画見てたら、めっちゃマッチョな人が「反動を使って高重量を持て!」っていってたぞ?
筋トレで反動は使っちゃいけないんじゃないの??
基本的に筋トレで反動を使うのはなし!
ただし人によっては反動を使った方が良い場合もあるよ!
SNSなどで、マッチョなインフルエンサーが反動をつけて高重量のダンベルやバーベルで筋トレしているのを見たことがありませんか?
「筋トレは反動を使わずに」が一般的なセオリーですが、こういった筋トレ方法を見ると「反動つけて筋トレした方が良いの?」と迷ってしまいますよね。
当記事では、
- 反動を使うメリットはあるの?
- 自分は反動を使うべき?
- 反動を使う場合、どんなことに注意すべき?
このような疑問が解決していきます。
”反動”を使ったトレーニング=”チーティング”とは?
反動を使ってダンベルやバーベルを持ち上げるような筋トレを「チーティング」と呼びます。
チーティングとは、直訳すると「反則する」「ズルをする」という意味。
反動なしでは持ち上げられないような重いダンベルやバーベルも、チーティングを使えば持ち上げることができます。
反対に反動なしで行うことをストリクトと呼びます。
チーティングを使う”4つのメリット”
一般的に筋トレは、反動無しで行うのがセオリーですが、チーティングを使うことにもメリットがあります。
主なメリットを4つ紹介します。
メリット①:ネガティブ動作(下ろす動作)で高負荷をかけられる
チーティングを使ったトレーニングでは、ウエイトを下ろす時に高い負荷をかけることができます。
反動なしでは持ち上げられないくらい重いウエイトでも、反動なしで下ろすことはできますよね?
ウエイトを下ろす動作はネガティブ動作と言って、筋肥大で重要な「エキセントリック収縮」で高い負荷をかけることができます。
エキセントリック収縮とは、筋肉が縮もうとしながらもゆっくり引き伸ばされる時の筋活動。
筋肥大に欠かせない「筋肉の細かい損傷」が起こることに加え、筋肉の「速筋繊維」(太い繊維)が優先的に使われます。
そのため、チーティングを使って高重量の筋トレを行うことで、筋肥大効果を高めることができます。
メリット②:筋肉を追い込みきれる
まずは反動無しで目標回数を終えても、そこからチーティングを使うことで限界を超えて+(プラス)数回行えることで、筋肉を限界まで追い込むことができます。
例えば、10回を目標にバーベルカールを行い、+2、3回は全身の勢いを使って肘を曲げると言ったイメージ。
このように追い込み切ることによって負荷を上げ、筋肥大を狙うことができます。
メリット③:体の連動が上手くなる(運動能力アップ)
チーティングでは、体全身の筋肉を使って効率良くウエイトを持ち上げます。
スポーツなどでは、
いかに効率の良い動きで
- 早いスピードを出す
- 高く跳ぶ
といったことが大切。
筋トレのように的(まと)を絞った筋肉の使い方より、体全身を連動させた方が強い力を発揮でき、疲れずに競技が続けられるからです。
チーティングを使ったトレーニングによって、こういった連動を使う能力を養うことができます。
メリット④:筋出力アップ
チーティングで筋肉を素早く動かすことで、筋肉の出力を上げることができます。
筋肉の出力とは、筋肉を100%に近い力を発揮する力。
実は筋肉は脳にリミッターを掛けられていて、100%の力は発揮できません。
トレーニングをしていない人は、実際の筋肉の70%しか力を使えていないと言われています。トレーニングを行うことで筋肉が発揮する力を100%に近づけていくことができます。
チーティングのように瞬発的な動きでは、この筋出力アップへの作用が大きく、長期的に見た筋肥大効果やスポーツパフォーマンスアップなどが期待できます。
チーティングを使った方が良い人
基本的に筋トレではチーティングを使わないのがセオリー。
そのためすべての人におすすめできる方法ではありません。
しかし、先述したようにチーティングによるメリットもあるため、チーティングを使った方が良いという人もいます。
使った方が良い人①:重量が伸びなくなってきた
「反動なし(ストリクト)の筋トレで、ダンベルやバーベルの重量を段階的に増やせなくなってきた」という人は、チーティングを使うのも有効でしょう。
この時、ウエイトを上げる動作だけチーティングを使い、下ろす動作では動作をコントロールしてゆっくり下ろます。
ポイントは下ろす動作で「エキセントリック収縮」をしっかり感じること!
高重量を扱える筋トレ種目で行おう。重量アップでチーティングを使う際の種目例を紹介するよ!
おすすめ種目①:ベンチプレス(胸)
ベンチに仰向けになり、バーベルを胸から天井へと押し上げるベンチプレス。胸の筋肉を鍛えるトレーニングです。
本来、「後頭部・肩・お尻・両足」の5点をベンチ台・床につけて行います。
チーティングを使ったやり方ではバーベルを持ち上げる際に、お尻をベンチから浮かせ反動をつけて行います。
おすすめ種目②:ミリタリープレス(肩)
立った姿勢から、バーベルを頭上に持ち上げるミリタリープレス。肩を鍛えるトレーニングです。
本来は膝・股関節は固定し、肩の力でバーベルを持ち上げます。
チーティングを使ったやり方では、上げる動作で膝・股関節の屈伸を使い、下半身の力を借りてバーベルを頭上へと上げます。
おすすめ種目③:チンニング(背中)
チンニング=懸垂。手幅を広くしてバーにぶら下がり、体を引き上げるトレーニング。背中を鍛えるトレーニングです。
本来は両足を後ろへ曲げ、勢いを使わずに体を引き上げます。
チーティングを使ったやり方では、両足を1度前に振り、勢いを使って体を引き上げます。
1回もチンニングができないという人は、両足を地面につけられる高さで行い、ジャンプの力を利用して行う人もいます。
使った方が良い人②:回数を増やせなくなってきた
反動なしの筋トレで回数が増やせなくなってきた人にもチーティングはおすすめです。
この時のポイントは、頑張れるぎりぎりまでは反動なしのフォームで行うということ。
反動なしでは上がらないという状態まで回数を重ねて、そこから+2〜3回をチーティングで行いましょう。
おすすめ種目①:ベントオーバーロウ(背中)
立った姿勢で上体を前傾させ、バーベルを胸に引き上げるベントオーバーロウ。背中を鍛えるトレーニングです。
まずは上体の角度は変えず、反動を使わずに行います。
反動なしではバーベルを引き上げられなくなったら、上体を起こす力を借りて+2、3回チーティングを行って引き上げます。
おすすめ種目②:サイドレイズ(肩)
立った姿勢で、両手のダンベルを体の横へ持ち上げるサイドレイズ。肩を鍛えるトレーニングです。
まずは、肩の関節以外は動かさず、反動なしで行います。
反動なしではダンベルが持ち上がらなくなったら、膝の軽い屈伸を借りて+2、3回チーティングを行って持ち上げます。
おすすめ種目③:バーベルカール(上腕二頭筋)
立った姿勢でバーベルを持ち、肘を曲げるバーベルカール。上腕二頭筋を鍛えるトレーニングです。
まずは、肘以外の関節は動かさず反動なしで行います。
反動なしで肘が曲げられなくなったら、上体を反らす力を借りて+2、3回チーティングを行って持ち上げます。
使った方が良い人③:瞬発力アップが目的
スポーツで「高く跳べるようになりたい」「強くコンタクトできるようになりたい」という人も、チーティングを使ったトレーニングをおすすめできます。
瞬発力アップのためにチーティングを使う場合、競技特性やシーズンに合わせて
- 重たいウエイトを扱う
- 軽いウエイトで速く動かす
といったやり方を選ぶと用意でしょう。
重たいウエイトを扱うことで筋力の向上、軽いウエイトを扱うことでスピードアップなどの効果が期待できます。
筋トレ初心者(〜3ヶ月)の人はチーティングは使わない方が良い
チーティングは、一般的な反動なしの筋トレで筋肉量が増えなくなった人が行う1つの手段です。
そのため、筋トレ開始〜3ヶ月の初心者にはおすすめしません。
理由は、
- 正しく筋肉に負荷をかけられず筋肥大できない
- 怪我のリスクがあがる
可能性が高いからです。
まずは、反動なしの筋トレで、回数→重さ→セット数→種目数と負荷を高めていき、それでも筋肉量が増やせなくなってからチーティングを使うようにしていきましょう。
著者の名前:せーじ/パーソナルジム経営
元痩せ型だけど腹筋は割れていない人。
現在は筋肉量10kg増、体脂肪率10%以下をキープ
大学スポ科卒⇢ジム社員⇢パーソナルトレーナーの経験を元に「筋トレ超初心者のためのモテる体作り」について発信中!
出身:長野県
年齢:33歳(平成3年1月11日生)
資格・経験:NSCA認定パーソナルトレーナー/ダイエットインストラクター/BBJ長野大会3位
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